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嗅覚 その不思議なアンバランス

「匂い」、「臭い」、「ニオイ」。それぞれに好ましいもの、不快で不潔な印象に結びつくもの、あえて快・不快の表現をオブラートに包んだものとして使い分けられます。喚覚には、それだけ情緒的な要素が多いのかもしれません。街ですれ違った人から、昔つき合っていた人と同じ香りが漂ってきたりすると、瞬時にその人の面影、声、振った手の感触までが生き生きとよみがえってきて…。そんな経験はありませんか? 喚覚とは、人の五感の中でも最も長くその感覚を記憶することができるのだそうです。

一方で、部外者が入ると汗臭くてたまらない体育会系の部室なども、普段使っている当事者達はほとんど何も感じないことはよくあります。あるいは、旅行に出かけてしばらくぶりに帰ってきたときに感じる我が家のニオイにしてもそうでしょう。喚覚は連続的な刺激にはいとも簡単に鈍感になつてしまう感覚でもあるのです。「過剰に気になる」と「自分では気づかない」が混在するのも、私たちの喚覚の不思議なアンバランスのゆえなのですね。

どちらにしてもワキの臭いの「なんとなく」は、あなたの心身の安らぎの阻害要因になりかねません。こオイの悩みを解決する第一歩は、その実態を正しく理解することです。ワキ汗とワキの臭い。悩みをもつ人にしかわからない、とてもデリケートな問題です。「もしかして、私ってワキガ?」と不安に怯えながらも、誰にも相談できず、漠然としたコンプレックスを抱えながら生活しているのは、本当に大変だと思います。

周囲の人にとっても、ニオイに関することは慎重にならざるを得ません。たとえ、「ツライな…」と思ったとしても、それを本人に伝えることはなかなかできません。本人が自己アピールのために(しばしば過剰に)つけている香水でさえ、よほど親密でなければなかなか言い出しにくいもの。ワキガのニオイに関しては、さらに言いづらいのが人情です。