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ワキガ臭の原因とそのメカニズム

●エクリン汗腺
エクリン汗腺は全身に分布しており、直径0・4ミリという小さな組織であることから「小汗腺」とも呼ばれています。皮膚表面から1~3ミリと、比較的浅い部分にあり、皮膚表面に開口して汗を分泌しています。暑いときや運動時にかく、あの汗です。ここから分泌される「エクリン汗」は、皮膚表面で蒸発することで、熱を発散させる働きがあります。暑いときに汗をかくのは、これによって体温を下げるのが目的です。成分の99%は水分で、わずかに塩分を含み、汗自体は無色、無臭でサラリとしているのが特徴です。

「汗臭い」と言われるのは、かいた汗をそのままに放置することで、皮膚上で雑菌が繁殖し、ニオイの原因になっているのです。土壌と入り交じったニオイの場合もあるでしょう。この汗腺は皮膚の1センチ四方に平均100個、全身で約230万個も存在すると言われており、一日に平均なんと1・5~2リットルもの汗を出しています。一つひとつは小さな存在ですが、実はかなりの働き者です。ちょっとした気温の変化や精神的な緊張などで、すぐに汗をかいてしまう汗っかきの人は、このエクリン汗腺の働きが活発な人ということが言えます。もちろん、多汗症のカギを握るのもこのエクリン腺です。

●アポクリン汗腺
もう一つのアポクリン汗腺は、エクリン汗腺の10倍ほどの大きさがあり、そのため、「大汗腺」とも呼ばれています。エクリン汗腺より皮膚の深いところにあり、開口部は毛穴につながっています。そのため、ワキ、耳の中、乳首、へその周辺、陰部など、体毛の濃いところにだけ存在します。なぜか頭皮には存在しません。「アポクリン汗」はエクリン汗に比べると、分泌量が少なく、成分に脂肪やタンパク質、色素、蛍光物質などを含み、少し粘り気があるのが特徴です。

一度、汗をかくと24時間ほど活動を休止するという点からも、エクリン汗腺とはかなり違った働きをしていると考えられていますが、まだはっきり解明されていない点が多いのも実情です。ただし、ストレスや精神的な緊張だけでなく、性的な興奮などでも発汗することや、汗腺が限られた部分だけに分布していることから、フェロモン分泌管としての働きもあるようです。多くの動物は、決まった時期になると、子孫を残すためにパートナーを求める行動に出ます。そのために特殊なニオイを持つフェロモンを出して、異性を惹きつけようとするのです。

私たち人間も動物の一種ですから、太古の昔にはこうした習性を持っていたとも考えられます。しかし、知能や文明の発達によって繁殖期というものが失われ、それと同時にアポクリン汗腺も、その存在意義が薄れてしまったのかもしれません。その果てに、邪魔者扱いされてしまう羽目になるとは、動物の一種としてみると、皮肉な進化を遂げてしまったものですね。

●皮脂腺
アポクリン汗腺と同様、毛穴に開口して脂肪分を分泌する器官です。ここから分泌された脂肪はエクリン汗と混ざり合い、皮膚表面に薄い膜をつくり、肌を保護する役割を持っています。皮脂の分泌量が多過ぎると、肌がべ夕つきオイリー肌となりニキビの原因になり、少な過ぎると乾燥肌になるなど、女性の肌トラブルの多くが、この皮脂腺に深く関係しています。